
工場や倉庫、プラントなどでは、使用する材料や保管する製品によって、通常の設備ではなく、防爆仕様の設備が必要になる場合があります。
防爆仕様エレベーターとは、可燃性ガス・蒸気・粉じんなどが発生する可能性のある場所で、電気機器が点火源とならないように配慮したエレベーターです。
例えば、化学工場、塗料や溶剤を扱う工場、危険物倉庫、薬品工場などで必要となるケースがございます。
今回は、防爆仕様エレベーターがどのような現場で必要になるのか、どのようなタイミングで相談すべきかをご紹介します。
防爆仕様エレベーターとは?
防爆仕様エレベーターとは、爆発性のあるガスや蒸気、粉じんが発生する可能性のある場所で、安全に使用できるように対策されたエレベーターです。
通常のエレベーターには、操作盤、押しボタン、照明、表示器、ドアまわりの機器など、さまざまな電気機器が使われています。これらの機器が火花や熱を発生させると、周囲の環境によっては点火源となるおそれがあります。
そのため、防爆仕様では、設置場所の環境に合わせて、電気機器や配線、操作機器などに防爆対策を組み込み検討します。
防爆エリアの考え方
防爆エリアは、可燃性ガス・蒸気・粉じんがどの程度発生する可能性があるかによって分類されます。
ガスや蒸気の場合は、危険度に応じて大きく3段階に分けられます。常に、または長時間発生する可能性のある場所(Zone0)、通常作業中に発生する可能性のある場所(Zone 1)、通常時は発生しにくいものの、異常時に短時間発生する可能性がある場所(Zone 2)、という考え方です。
粉じんの場合も同様に、粉じんが常に存在する(ゾーン20)のか、断続的に存在する(ゾーン21)のか、短時間だけ存在する(ゾーン22)のかによって検討内容が変わります。
エレベーターを計画する際には、「建物全体が防爆エリアなのか」「乗場だけが該当するのか」「昇降路内も対象になるのか」などを早い段階で確認しておくことが大切です。
どの部分を防爆対応するのか
防爆仕様エレベーターでは、主に電気機器まわりの対策が重要になります。
例えば、操作盤、押しボタンスイッチ、表示器、照明、各種安全スイッチ、ドアまわりの機器、接続箱、配線ルートなどが検討対象になります。
ただし、必要な防爆対応は現場条件によって異なります。単に一部の機器を防爆品に変更すればよいというものではなく、危険場所の範囲、機器の設置位置、配線、メンテナンス方法まで含めて検討する必要があります。
相談するタイミング
防爆仕様エレベーターは、建物計画の早い段階で相談することが大切です。
防爆対応は、エレベーター本体だけでなく、昇降路、機械室、乗場、操作盤の位置、配線ルート、建物側の区画、換気計画などにも関係します。
また、納期が通常仕様エレベーターよりも数倍かかるため、早めのお声がけいただけると幸いでございます。
よくある質問
Q. 防爆仕様エレベーターはどのような現場で必要ですか?
A. 可燃性ガス・蒸気・粉じんが発生する可能性のある工場、プラント、危険物倉庫、薬品・塗料・溶剤を扱う施設などで検討されます。設置場所の環境によって必要性が変わるため、早めの確認が重要です。
Q. 通常の荷物用エレベーターと何が違いますか?
A. 通常仕様と異なり、電気機器が点火源とならないよう、操作盤、スイッチ、照明、配線などに防爆対策を検討します。必要な対策は設置環境によって異なります。
Q. 建設会社はいつ相談すべきですか?
A. 基本設計や設備計画の段階でご相談いただくことをおすすめします。昇降路、機械室、乗場、配線、操作盤の位置など、建築計画に関わる部分が多いためです。
まとめ
防爆仕様エレベーターは、可燃性ガス・蒸気・粉じんが発生する可能性のある現場で、安全に使用するために検討されるエレベーターです。
化学工場、プラント、危険物倉庫、薬品工場、粉じんが発生する製造現場などでは、通常仕様のエレベーターでは対応できない場合があります。
防爆対応は、エレベーター本体だけでなく、昇降路、機械室、乗場、操作盤、配線、建物側の区画にも関係します。そのため、建設会社様や設計事務所様には、できるだけ計画の早い段階でご相談いただくことをおすすめします。
三洋輸送機工業では、荷物用・人荷共用エレベーターを中心に、現場の使用環境や建物条件に合わせたご提案を行っています。防爆仕様エレベーターをご検討の際は、まずはお気軽にご相談ください。
執筆者紹介
三洋輸送機工業株式会社 営業・技術担当
荷物用・人荷共用エレベーターを中心に、工場、倉庫、プラント関連施設など、さまざまな現場のご相談に対応しています。搬送物の条件だけでなく、設置環境や建物条件を確認し、安全で使いやすい設備をご提案することを大切にしています。